乳がんを告知されたとき
乳がんを告知されたとき、自分でも驚くくらい冷静でした。
両親をがんで亡くし、親族も亡くなった人のほとんどががんでの死。
姉妹の一人は両側の乳がん。
私自身は50代半ば、初めて受けた大腸ファイバーで将来がんになるというポリープが見つかり、その数年後に受けた検査でもまた同じタイプのポリープが見つかった。
同じころ子宮がん検査でひっかかり最終的にはセーフだったのだけど、また数年後同じ子宮がん検診でひっかかり、それ以降3か月毎の検査が続いた。
1年前エコーに何かが映りMRI検査をし、やはり何かあるこいうことでがんセンターを紹介してもらいそこで詳しい検査を続け、今年の春頃ようやくセーフをもらったばかりでした。
母は子宮体がんで60歳で亡くなっている。
私も少しづつ癌に近づいていっているのかも知れない・・・
そんな予感があったので告知をされたときも「ついにその日が来たか」
が正直な気持ちだった。
大した動揺や落ち込みもなく、一滴の涙も出なかった。
遺伝子カウンセリングを受けたときにはカウンセラーの方があまりにも落ち着き払った私の言動に、「つい最近告知を受けたばかりですよね?」うなずくと、「ちょっとびっくりしているんです。あまりにもしっかりされているので」とまで言われるほど、動揺は無かった。
唯一怖かったのは術前検査の結果を聞きにいったとき。
腹部エコーや全身CTの結果、もしもすでに遠隔転移があれば私の寿命は長くない。
そう思うと、診察室に呼ばれるのを待つ間は流石に怖くて、ドクターから「画像上では他に転移は見当たりません。」という言葉を聞いて心底ホッとしたのを覚えている。
とりあえず詳しい検査を進めながら手術の日が決まったので、それまでの1か月余りをがんの進行を遅らせるべく自分がどうすべきかを考え、ひたすら粛々とやるべきことをやる日々でした。